マンジャロって結局なんなの?
糖尿病の薬なのに「痩せる注射」と話題になっている理由
はい、どうもこんにちは!アルテラクリニックの宮本東和です。
今日はですね、最近SNSやテレビ、芸能人の方の投稿などでもよく見かけるようになった「マンジャロ」について、僕の思っていることや知っておいて欲しい知識などお伝えしながら少し踏み込んだお話をしていこうかなと思います。
「マンジャロを打ったら〇〇キロ痩せた」「芸能人もやってるダイエット注射」みたいな情報、皆さんも一度は目にしたことがあるんじゃないでしょうか。気になって調べてみたんですけど、結局なんの薬なのか、安全なのか、どこで打てるのかよくわからないという方も多いと思います。
結論からお話しすると、マンジャロは元々ダイエットのために作られた薬ではなく、「2型糖尿病」の治療薬です。日本で保険を使って打てるのも、糖尿病と診断された方に限られています。痩せる効果が話題になっている薬には、実はもう一つ「ゼップバウンド」という別の名前の薬があり、ここを混同したまま「ダイエット目的で病院に行ったらマンジャロを処方された」という方も多いんじゃないかなと思います。
今日はこのあたりをしっかり整理しつつ、美容クリニックで自由診療として広まっている実態や、僕が思うリスクについても包み隠さずお話ししていきます。
1.マンジャロはそもそも何の薬なのか
マンジャロの正式な成分名は「チルゼパチド」です。GIPとGLP-1という、もともと小腸から分泌されているホルモンの両方に作用する、世界初の「デュアル受容体作動薬」と呼ばれるタイプの薬になります。
このGIPとGLP-1というホルモンには、
- インスリンの分泌を促して血糖値を下げる
- 脳の満腹中枢に作用して食欲を抑える
- 胃の動きをゆっくりにして満腹感を持続させる
といった働きがあります。日本では2023年4月に発売され、2型糖尿病の治療薬として保険適用になっている薬です。週に1回、お腹などに自分で注射するタイプの薬になります。
血糖値を下げる効果がしっかりある一方で、食欲を抑える作用や満腹感を持続させる作用もあるため、結果として体重が減っていく方が多く見られたことから、「痩せる薬」として一気に話題になったという経緯です。
2.ゼップバウンドとの違いをはっきりさせておきましょう
ここが今日一番お伝えしたいポイントなのですが、マンジャロと同じ成分(チルゼパチド)を使った薬に、「ゼップバウンド」という薬があります。
成分はマンジャロと全く同じです。ですが、ゼップバウンドは「肥満症」の治療薬として承認されている薬であり、マンジャロとは適応(使っていい病名)が違います。
そのため、
- 2型糖尿病の診断がある方→マンジャロが保険適用
- 肥満症(健康障害を伴う肥満)と診断され、一定の条件(BMIや合併症の基準など)を満たす方→ゼップバウンドが保険適用、ただし取り扱える医療機関は大学病院などの認定施設に限られます
という整理になります。「痩せたいから病院でマンジャロを処方してもらった」という場合、糖尿病の診断がないのであれば、それは保険診療ではなく自由診療(全額自己負担)でマンジャロを使っている、つまり本来の適応とは異なる使い方をしているということになります。
このあたりをきちんと説明せず「痩せるお薬です」とだけ案内しているクリニックも見かけるので、ご自身がどちらの位置づけで治療を受けているのかは、しっかり確認した方がいいと僕は思います。
3.美容クリニックで「医療ダイエット」として広まっている理由
実際のところ、美容クリニックや内科クリニックの中には、自由診療としてマンジャロを「医療ダイエット」というメニュー名で提供しているところがたくさんあります。
理由は単純で、ゼップバウンドは保険診療といっても取り扱える施設が限られている上に、肥満症の診断基準(BMIや合併症の有無など)を満たさないと使えません。自由診療でも一部のクリニックでしか扱っていなかったりするんですよね。一方マンジャロは、医師の判断のもと自由診療であれば、糖尿病でない方にも処方できてしまうため、間口が広いんですね。
ただ、これは日本糖尿病学会からも注意喚起が出ているくらい、本来の使い方とは少しずれた使われ方が広がっているという側面もあります。吐き気や胃もたれ、便秘・下痢といった消化器症状は決して珍しくありませんし、頻度は低いものの膵炎や胆石症などの報告もある薬です。また禿瘡(いわゆるハゲ)もよく見られる副作用になります。「痩せる注射」という軽いイメージだけで安易に手を出すのは、僕としてはあまりおすすめできません。
もちろん、肥満症としてきちんと診断を受け、医師の管理のもとで使う分には非常に有効な治療だと思いますし、それを否定するつもりは全くありません。あくまで「ダイエット目的だけで安易に」という使い方に対して、慎重であってほしいなと思っています。
4.当院ではマンジャロは取り扱っていません
ここまで解説してきましたが、僕たちアルテラクリニックは形成外科専門医による「手術(外科的アプローチ)」をメインに扱う美容外科であるため、マンジャロやゼップバウンドのような注射薬による医療ダイエットの取り扱いはございません。
体重そのものを落としたい、糖尿病の治療をしたいという方は、内科や糖尿病内分泌内科、または肥満症の認定施設にご相談いただくのが適切かと思います。
一方で、「ダイエットでは落ちない部分的な脂肪が気になる」「輪郭や顔周りをすっきりさせたい」ということであれば、それは僕たちの得意分野です。脂肪吸引や骨切りなど、構造そのものにアプローチする治療で、なりたい自分に近づくお手伝いができればと思っています。ただ、体重を落としたいという目的であれあば脂肪吸引ではなかなか叶わないため、運動療法や食事療法さらにはマンジャロのような医療ダイエットを使用するのはありかと思います。あくまで自己責任で副作用などしっかり理解した上でですが、、、
マンジャロが気になっている方も、まずは自分が本当に求めているのが「体重を落とすこと」なのか「見た目の輪郭を変えること」なのか、一度整理してみるのもいいかもしれません。気になることがあれば、カウンセリングでお気軽にご相談ください。お待ちしております。
FAQ
Q1. マンジャロは美容クリニックで処方してもらえますか?
A. 当院では、形成外科専門医による外科的アプローチを専門としているため、マンジャロやゼップバウンドのような注射薬による医療ダイエットの取り扱いはございません。
Q2. マンジャロとゼップバウンドは同じ薬ですか?
A. 成分(チルゼパチド)は同じですが、マンジャロは2型糖尿病、ゼップバウンドは肥満症の治療薬として承認されており、適応や保険適用の条件が異なります。
Q3. ダイエット目的でマンジャロを使うのは保険適用になりますか?
A. 糖尿病の診断がない場合は自由診療(自己負担)となります。本来の適応とは異なる使い方になるため、リスクも含めて慎重に検討することをおすすめします。
Q4. マンジャロにはどんな副作用がありますか?
A. 吐き気や胃もたれ、便秘・下痢などの消化器症状が比較的よく見られます。頻度は低いものの膵炎や胆石症の報告もあるため、医師の管理のもとで使用することが重要です。
Q5. ダイエットではなく部分的な脂肪が気になる場合はどうすればいいですか?
A. その場合は当院の得意分野です。脂肪吸引や骨切りなど、構造そのものにアプローチする施術で輪郭やボリュームのお悩みに対応できます。
この記事を書いた人

アルテラクリニック
院長 宮本東和
昭和大学医学部卒業後、昭和大学附属病院形成外科をはじめ、関連病院などで形成外科医として研鑽を積む。外傷や皮膚腫瘍、再建外科など幅広い診療に携わり、その後美容外科へ。元福岡TAクリニック院長4年を経て、現在は美容外科クリニック院長として患者様一人ひとりの悩みに寄り添った丁寧な診療を行っている。日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAS・JSAPS)所属。形成外科専門医。