ほくろが気になる方へ
レーザーと切開、どっちが向いているの?
こんにちは。アルテラクリニックの宮本東和です。
今日は「顔のほくろが年々大きくなってきた気がする」「メイクで隠すのが大変」「目立つ位置にあって気になる」という、ほくろのお悩みについてお話ししていきたいと思います。
ほくろのご相談は10代から60代まで幅広い年代の方からいただきます。小さなほくろ一つでも、位置や膨らみによっては顔全体の印象を大きく左右しますし、長年のコンプレックスになっている方も少なくありません。
ただ、このほくろ除去、実は「レーザーで手軽に取れる」というイメージだけで選んでしまうと、再発や不自然な凹みなどの後悔につながることがあります。
今回は形成外科専門医の視点から、ほくろの種類や、炭酸ガスレーザー・くり抜き法・切開法それぞれの違い、そして医師として大切にしている「悪性見極めの視点」について詳しくお伝えしていきますね。
1.ほくろにはいくつかの種類(深さ・形状)がある
ひと口に「ほくろ」と言っても、皮膚のごく浅い層(表皮)に留まっているものから、深い層(真皮から皮下組織)まで色素の細胞(母斑細胞)が入っているものまで、深さや大きさはさまざまです。
- 平らで色が薄いほくろ(浅いタイプ)
- 盛り上がって膨らんでいるほくろ(深いタイプ)
- 表面から毛が生えているほくろ
この「どのくらいの深さまであるか」「大きさはどれくらいか」「盛り上がっているか平らか」という違いが、除去方法を選ぶうえで最も重要になります。見た目が似ていても皮膚の中でどこまで広がっているかは一人ひとり違いますので、まずは診察で一つひとつの状態を詳しく確認することが全ての出発点になります。
2.ほくろ除去の主な3つの方法
ほくろを除去する方法は、大きく分けて「炭酸ガスレーザー」「くり抜き法」「切開法(切除縫合)」の3つがあります。
⚡ 炭酸ガスレーザー(レーザー蒸散)
炭酸ガスレーザーの光エネルギーで、ほくろの組織を少しずつ削るように蒸散させて除去する方法です。
- 特徴: 小さく浅いほくろに向いており、施術時間が短く、縫合(糸で縫うこと)が不要でダウンタイムが比較的軽いのが特徴です。局所麻酔を行いますので、施術中の痛みもほとんどありません。一度に複数のほくろを取りたい方にも適しています。
- 注意点: 根が深いほくろの場合、表面だけを削ると奥に色素細胞が残り、時間が経ってから再発することがあります。また、削る深さの見極めを誤ると、へこみや深い色素沈着が残る原因になるため、医師の技術と判断が仕上がりを左右します。
🕳 くり抜き法
専用の丸い器具(トレパン)や電気メスを使用し、ほくろを円筒状にくり抜くように根元から除去する方法です。
- 特徴: 盛り上がったほくろや、ある程度の深さがある中くらいの大きさのほくろに向いています。「レーザーで表面を削るだけでは取りきれないが、大きく切り開くほどではない」という中間的なケースで選択されます。
- 注意点: レーザーよりも深い部分まで確実に取り除きやすい反面、サイズや部位によっては治った後に小さなへこみが残ることがあります。自然に治る(肉芽形成)のを待つか、小さく縫合するかなどの設計が大切です。
🔪 切開法(切除縫合)
メスでほくろを含む皮膚を紡錘形(木の葉状)に切り取り、周囲の皮膚を寄せて綺麗に縫い合わせる方法です。
- 特徴: 大きなほくろ、根が非常に深いほくろ、他院でレーザーを受けて再発を繰り返しているほくろに向いています。細い線状の傷跡は残りますが、時間とともに白く目立ちにくくなっていきます。
- 最大のメリット: 切り取った組織を破壊せずにそのまま採取できるため、「病理組織検査」に回して悪性腫瘍(皮膚がんなど)でないかどうかを精密に確認できる点です。確実に綺麗に取りきることと安全性を最優先する場合に、最も確実性の高い方法です。また再発がほとんどないです。
レーザー・くり抜き・切開の比較
各方法の特徴を整理すると、以下のようになります。
| 治療法 | 適したほくろのタイプ | メリット | ダウンタイムと傷跡 |
|---|---|---|---|
| 炭酸ガスレーザー | 小さく浅いほくろ・平らなもの | 傷跡が小さく手軽。一度に複数個受けるのに適している。 | 1〜2週間のテープ保護。赤みが数ヶ月続くが徐々に肌色に馴染む。 |
| くり抜き法 | 盛り上がったほくろ・中くらいの深さ | 深い部分まで除去でき、再発率を抑えられる。 | 1〜2週間のテープ保護。わずかなへこみが馴染むまで時間がかかる場合あり。 |
| 切開法(切除縫合) | 大きなほくろ・根が深いもの・再発品 | 病理検査が可能。根絶でき再発率が極めて低い。 | 5日〜7日後に抜糸。線状の赤い傷跡が半年ほどかけて白い線に変化。 |
「レーザーのほうが傷跡が残らないから良い」と思われがちですが、深いほくろに安易にレーザーを照射し続けると、かえって凹凸や強い色素沈着、再発を繰り返してしまうことになりかねません。ほくろ一つひとつの深さ・大きさ・部位、そして再発リスクと傷跡のバランスを考慮して選択することが大切です。
3.見た目だけで判断しない:専門医としての「病理検査」の視点
ここで形成外科専門医として、特にお伝えしておきたい大切なポイントがあります。
顔や体にあるほくろの多くは良性ですが、中には「見た目は普通のほくろに見えても、悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がんといった注意が必要な皮膚腫瘍」がごくまれに潜んでいます。実際に僕も、保険診療を行なっていた際に体幹部のほくろと思い病理検査に出し基底細胞癌であったことがあります。悪性腫瘍の鑑別であるABCDE(ここでは説明を割愛します)でも引っかからず、見た目だけは本当にわからないと実感しました。このため、これらを外見の印象だけで「100%良性である」と言い切ることは、皮膚科や形成外科の専門医であっても決して容易ではありません。
だからこそ当院では、短期間で急に大きくなったほくろ、色や形が歪なほくろ、出血や痒みを伴うほくろについては、安易にレーザーで焼き消してしまうのではなく、切除して病理検査(顕微鏡での細胞診断)でしっかり確認する選択肢を大切に提案しています。手軽さだけを優先した結果、確認すべき危険なサインを見過ごしてしまうことがないよう、診察の段階で誠実にご説明しています。
4.ほくろ除去で後悔しないための3つのポイント
ほくろ除去で「失敗した」「後悔した」と感じる原因は、主に以下の3点です。
- 深さの見極め不足による再発 根が深いほくろに対して浅くしかレーザーを当てないと、数ヶ月から数年後に再び色素が浮き出てきたり、ふくらんできたりします。
- 傷跡・色素沈着への理解不足 どのような除去方法であっても、皮膚に手を加える以上「まったく元通りの素肌のまま跡形もなく消える」わけではありません。赤みや小さな凹凸、白い筋状の跡が少しずつ馴染んでいく経過を理解しておくことがギャップを防ぎます。
- 紫外線対策の油断 除去したあとの新しい皮膚は非常にデリケートです。術後に紫外線を防がないと、かえって濃い色素沈着(戻りシミ)になって残ってしまうリスクが高まります。
5.アルテラクリニックのほくろ除去について
当院では、カウンセラーを置かず、形成外科専門医である僕自身が最初のカウンセリングから施術、術後のアフターフォローまでを一貫して担当しています。
ほくろ除去は「短時間で終わる手軽な施術」と思われがちですが、深さと大きさの見極め、傷跡を最小限に抑える細密な縫合技術、そして悪性かどうかの鑑別診断という、形成外科が最も専門としてきた医療技術が凝縮されている施術です。
当院では特定の方法に無理に誘導することはせず、再発の可能性や傷跡の残り方まで正直にお話ししたうえで、レーザー・くり抜き・切開の中から最も安全で綺麗な仕上がりになる方法を中立にご提案しています。
🔧 他院での再発ほくろや傷跡の修正・セカンドオピニオンにも対応
「他院でレーザーを当てたけれどすぐ再発した」「削られすぎてへこんでしまった」「がんじゃないか不安」といった他院修正やセカンドオピニオンのご相談にも真摯に対応しています。
🏥 安心して施術を受けていただくための体制
- お一人あたり1時間の丁寧な診察
気になるほくろを一つひとつ拡大鏡などで診察し、それぞれの状態に合わせた最善の除去計画を立てます。 - 快眠麻酔での痛みに配慮
眠っている間に処置や施術ができる麻酔です。痛みを感じないので痛みが苦手な方にはおすすめです。詳しくは快眠麻酔のページをご覧ください。 - 看護師のみの専門スタッフ構成
当院のスタッフは全員が看護師ですので、術後のテープ保護の貼り方やアフターケア、紫外線対策についても専門知識から丁寧にご案内いたします。
当院は福岡市中央区大名にあり、天神駅・赤坂駅から徒歩約7分の場所にあります。お仕事帰りや学校帰り、経過観察や抜糸の際にも通いやすい立地ですので、気になるほくろがある方はどうぞお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. ほくろ除去は保険が使えますか?
顔や体のほくろで、「擦れて出血する」「目に入って視界を遮る」「がんなどの悪性腫瘍が疑われ病理検査が必要」など、医学的な治療の必要性が認められる場合は保険適用が可能です。一方で、純粋に見た目の改善を目的とする場合は自由診療(自費)となります。当院では保険診療は扱っていませんのでご了承ください。
Q. 一度にいくつも除去できますか?
はい、複数のほくろを一度に除去することも可能です。ただし、部位やサイズ、選択する除去方法(レーザー・切開など)によって術後のケア方法やダウンタイムの負担が変わってきますので、ご生活やご予定に合わせて無理のない個数を診察でご相談しながら決めていきます。
Q. 傷跡はまったく残らなくなりますか?
どの方法を用いたとしても、「傷跡を100%ゼロにする」とお約束することは医学的に不可能です。しかし、レーザーやくり抜きの跡は数ヶ月かけて少しずつ肌色に馴染んで気になりにくくなりますし、切開法による線状の傷跡も形成外科的な精密縫合を行うことで半年ほどで目立たない白い一本線へと変わっていきます。当院では傷跡を極力目立たせない処置とアフターケアを徹底しています。
Q. 取ったほくろが再発することはありますか?
深い層まで色素細胞が存在するほくろをレーザーなどで浅く削った場合、数ヶ月から数年後に再び色素が浮き出て再発することがあります。当院では診察の段階で再発リスクが高いほくろを見極め、その旨を最初にお伝えしたうえで、くり抜き法や切開法など「一度で確実に取りきる方法」をご提案しています。
Q. 顔のほくろを取ると腫れますか?
小さく浅いほくろをレーザーやくり抜き法で除去した場合、顔全体が大きく腫れることはほとんどありません(除去した部分が小さな擦り傷のようになります)。数ミリ以上の大きなほくろを切開縫合した場合は、部位によって数日間ごく軽度の赤みや腫れが出ることがありますが、基本的には翌日からメイクや日常生活が可能です。
この記事を書いた人

アルテラクリニック
院長 宮本東和
昭和大学医学部卒業後、昭和大学附属病院形成外科をはじめ、関連病院で形成外科医として研鑽を積む。外傷や皮膚腫瘍、再建外科など幅広い診療に携わり、その後美容外科へ。元福岡TAクリニック院長4年を経て、現在は美容外科クリニック院長として患者様一人ひとりの悩みに寄り添った丁寧な診療を行っている。日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAS・JSAPS)所属。形成外科専門医。