ガミースマイルが気になる方へ
ボトックスと手術、どっちが向いているの?
こんにちは。アルテラクリニックの宮本東和です。
今日は「笑うと歯茎が見えるのが気になる」「写真を撮るとき、思いきり笑えない」というご相談、いわゆる「ガミースマイル」についてお話ししていきたいと思います。
ガミースマイルのご相談は20代から40代の方を中心に少なくありません。笑顔は本来その方の一番の魅力になる部分ですから、周囲の目を気にして笑うことをためらってしまうのは本当にもったいないことです。素敵な笑顔これからも人目を気にせず出していきませんか?
ただ、このガミースマイルは、原因によって適した治療法がまったく異なります。
今回は形成外科専門医の立場から、原因の見極め方と、ボトックス注射と手術(上口唇粘膜切除法)それぞれの特徴、後悔しない治療選びの視点を整理してお伝えしますね。
1.笑うと歯茎が見える(ガミースマイル)3つの原因
一般的に、笑ったときに歯茎が3mm以上露出する状態を「ガミースマイル」と呼ぶことが多いです。しかし、その原因は大きく分けて以下の3つに分類されます。
- 👄 上唇を持ち上げる筋肉の動きが強すぎる(筋肉性)笑ったときに上唇を引き上げる筋肉(上唇挙筋群)が必要以上に過剰に働き、唇が大きく上にめくれて歯茎が露出してしまうタイプです。
- 🦴 上顎の骨が発達している(骨格性)上顎の骨自体が前方や下方に突き出ている、あるいは縦に長いなど、骨格そのものの形が原因になっているタイプです。
- 🦷 唇や歯茎の形態によるもの(歯肉・歯冠性 / 唇性)上唇自体が薄い・短いタイプや、歯茎が歯に覆いかぶさって相対的に歯茎が長く見えるタイプです。
実際にはこれらが複合的に混在している方も多く、どの要素がどの程度影響しているかによって、選ぶべき治療法が変わってきます。まずは診察で正確に原因を見極めることがすべての出発点になります。
2.ガミースマイルの主な治療法
当院でご案内している主な治療法は「ボトックス注射」と「上口唇粘膜切除法(手術)」です。
💉 ボトックス注射(手軽に試したい方向け)
上唇を持ち上げる筋肉(上唇挙筋など)に少量のボトックスを注入し、筋肉の過剰な働きをやわらげることで、笑ったときの上唇の上昇を抑える方法です。
- 特徴: 施術は数分で終わり、注射のみのためダウンタイムがほとんどありません。筋肉の働きが強いタイプの方に非常に効果的です。
- 持続期間: 約3ヶ月〜4ヶ月程度で徐々に効果が消退していくため、状態を維持するには定期的な注入が必要になります。
- 注意点: 注入量や注入位置を誤ると、笑ったときに上唇が動かず不自然な笑顔になったり、左右差が出たりすることがあります。
🔪 上口唇粘膜切除法(根本的に改善したい方向け)
上唇の裏側の粘膜を一定幅で切除し、丁寧に縫い縮めることで、上唇が上に引っ張られる可動域を制限する手術です。
- 特徴: 傷口はすべて口の中に収まるため、顔の表面から見える傷跡は一切残りません。ボトックスのように頻繁な通院が必要なく、長期的な効果の維持が期待できるのが最大のメリットです。
- 注意点: 術後1〜2週間ほど腫れや口元の引きつれ感が生じます。また、年月の経過に伴い多少の後戻り(組織の伸び)が生じる可能性があります。
🦴 骨格が主な原因の場合
上顎の骨の発達が主な原因である場合、ボトックスや粘膜切除だけでは十分な改善が難しくなります。この場合は、美容外科での上顎骨切り手術(Le Fort I型切骨術など)や、歯科矯正(アンカースクリューを用いた矯正)領域での治療が必要となります。当院の診察で骨格的要因が極めて強いと判断した場合は、その旨を率直にお伝えしています。
3.ボトックス vs 手術(粘膜切除)の比較
双方のメリット・デメリットを整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | ボトックス注射 | 上口唇粘膜切除法(手術) |
| 適したタイプ | 筋肉の引き上げが強いタイプ | 筋肉の引き上げ強〜中等度 / 根本改善希望 |
| 効果の持続性 | 3〜4ヶ月(一時的) | 長期的(わずかな後戻りの可能性あり) |
| 傷跡・外見 | 針跡程度(傷跡なし) | 口の中のみ(外からは完全に見えない) |
| ダウンタイム | ほぼなし(直後からメイク可能) | 1〜2週間(腫れ・突っ張り感・口内の違和感) |
| メリット | 手軽でダウンタイムが取れない方に最適 | 繰り返しの通院費用や手間がかからない |
どちらを選ぶべき?
「まずはダウンタイムなしで試してみたい」「大切なイベント(結婚式や撮影)に合わせたい」という方にはボトックスが向いています。万が一イメージと違っても時間が経てば元に戻るという安心感もあります。
一方で、「定期的に注射を打ち続けるのが負担」「長期的にガミースマイルを治したい」という方には上口唇粘膜切除法が適しています。カウンセリングでは、まずボトックスで歯茎の見え方の変化を体験・確認していただき、ご納得された後に手術を検討するというステップもご提案しています。
4.ダウンタイムと経過の目安
- ボトックス注射注射直後にわずかな針跡や小さな内出血が出る場合がありますが、数日で落ち着きます。メイクは当日から可能で、効果は注入後数日〜2週間かけて徐々に実感できるようになります。
- 上口唇粘膜切除法腫れのピークは術後2〜3日で、1〜2週間ほどで落ち着いていきます。抜糸は術後1週間前後で行います。口の中の傷口ですので、術後数日は刺激物が沁みたり会話時の違和感があったりしますが、外から見て手術を受けたと気づかれる心配はまずありません。
5.ガミースマイル治療で後悔しやすい3つのポイント
ガミースマイル治療で「失敗した」「後悔した」と感じる主な原因は以下の3点です。
- 原因の見誤り(適応違い)骨格そのものが大きな原因である方にボトックス注射だけを繰り返しても、歯茎の露出を大きく減らすことはできません。
- ボトックスの過剰投与・位置のズレ筋肉を抑えすぎると、笑ったときに上唇が垂れ下がって歯が隠れすぎたり、「口角が上がらない」「笑顔がひきつる」といった不自然な表情になってしまいます。
- 手術の後戻りに対する理解不足粘膜切除法は長期的な改善が見込める優れた手術ですが、皮膚や粘膜には伸縮性があるため、時間の経過とともにわずかな後戻りが生じる可能性があります。
事前の診察で原因を正確に把握し、メリットだけでなく注意点やリスクまでしっかり納得した上で選択することが何よりも大切です。
6.アルテラクリニックのガミースマイル治療について
当院では、カウンセラーを置かず、形成外科専門医である僕自身が最初のカウンセリングから施術、術後のアフターフォローまでを一貫して担当しています。
ガミースマイルは原因の見極めがすべてと言っても過言ではない症状です。診察では、日常の表情や笑ったときの上唇の動き、骨格のライン、歯と唇のバランスを細かく確認したうえで、あなたに最も合った選択肢をご案内します。
当院はボトックス注射と切開手術(粘膜切除)の双方向に対応できるため、どちらか特定の手術へ無理に誘導することなく、中立な視点からアドバイスが可能です。また、口の中の繊細な粘膜の縫合や形成は、形成外科専門医が最も得意とする領域ですので、自然な引きつれの少ない仕上がりをお約束します。
🏥 安心してご相談いただける体制
- お一人あたり1時間の丁寧なカウンセリング笑ったときの歯茎のミリ単位の見え方をシミュレーションし、疑問点を解消しながら方針を決定します。
- 他科との連携・正直な提案診察の結果、歯科矯正や口腔外科での骨切り施術が適していると判断した場合は、無理に当院での施術をおすすめせず、率直にその旨をお伝えします。
- 専門看護師による手厚いアフターケア当院のスタッフは全員が看護師です。術後の口内ケアや経過に関するご不安にも丁寧に対応いたします。
よくある質問
Q. ボトックスの効果はどれくらい持続しますか?
おおよそ3ヶ月〜4ヶ月程度が目安です。効果の出方や維持期間には個人差がありますが、定期的に繰り返し注射を行うことで、筋肉の過剰な働きが徐々に落ち着き、効果が安定しやすくなる傾向もあります。
Q. ボトックスで笑顔が不自然になりませんか?
注入量が多すぎたり、注入する筋肉の位置がズレたりすると、上唇が動かなくなって笑顔が引きつるリスクがあります。当院では形成外科専門医が解剖学的な構造を把握したうえで、表情の動きを確認しながら必要最小限の量で自然な変化をつくります。万が一の場合も数ヶ月で元に戻りますのでご安心ください。
Q. 手術の傷跡は外から見えますか?
上口唇粘膜切除法の傷跡は、すべて上唇の裏側(口の中)に収まりますので、正面や横から見ても外から傷が見えることは一切ありません。口を大きく開けた場合でも、時間の経過とともに馴染み、ご自身でも分かりにくくなります。
Q. 何ミリくらい歯茎が見えていたら治療対象になりますか?
一般的には笑ったときに3mm以上歯茎が見える場合が目安とされていますが、数値よりも「ご本人がどれくらいコンプレックスに感じているか」が一番大切です。わずかな見え方でも気になる場合は、まず診察で状態をお見せください。治療が必要ない軽度の場合は、その旨も正直にお伝えします。
Q. 歯科矯正と迷っています。どちらに相談すべきですか?
歯並びや噛み合わせの改善が第一ご希望であれば矯正歯科でのご相談が適していますが、「笑ったときの歯茎の露出を手軽に・あるいはピンポイントで治したい」という場合は当院へご相談ください。診察の結果、骨格や歯並びの影響が大きく歯科領域での治療が最も望ましい場合は、率直にそのようにお伝えいたします。
この記事を書いた人

アルテラクリニック
院長 宮本東和
昭和大学医学部卒業後、昭和大学附属病院形成外科をはじめ、関連病院などで形成外科医として研鑽を積む。外傷や皮膚腫瘍、再建外科など幅広い診療に携わり、その後美容外科へ。元大手美容外科院長4年勤務を経て、現在は美容外科クリニック院長として患者様一人ひとりの悩みに寄り添った丁寧な診療を行っている。日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAS・JSAPS)所属。