糸リフトと切開リフトの違いは?効果の持続・ダウンタイム・費用で比べる
こんにちは。福岡・天神のアルテラクリニック院長、宮本東和です。日本形成外科学会認定の形成外科専門医として、カウンセリングから執刀、術後の経過診察までを一人で担当しています。
たるみのご相談で最も多いのが、「糸リフトと切開リフト、結局どちらを選べばいいのか分からない」というものです。過去に糸リフトを受けて物足りなかった方からも、最初から切開を検討している方からも、同じご質問をいただきます。
このページでは、2つの施術を①引き上げるもの ②効果の持続 ③ダウンタイムの日数 ④費用(税込)⑤傷跡の5点で並べて比較します。当院の料金はすべて税込の正規料金です。読み終えたときに、ご自身がどちらの相談に行くべきかが決まる状態を目指して書きました。
まず結論|5項目で並べた比較表
| 比較項目 | 糸リフト | 切開リフト(フェイスリフト) |
|---|---|---|
| 引き上げるもの | 緩んだ皮膚と軟部組織を糸のコグ(トゲ)で引っかけて引き上げる | リガメント(支持靭帯)を切離し、緩んだ組織全体を持ち上げ、余った皮膚を切除する |
| 切開 | なし | 耳の前後を切開する |
| 効果の持続 | 半年ほどで徐々に弱まる方が多い | 数年単位で保てる |
| 腫れのピーク | 術後2〜3日程度 | 術後2〜3日程度 |
| 大きな腫れが落ち着くまで | 1週間程度 | 1〜2週間程度 |
| 抜糸 | なし | 術後5〜7日ごろ |
| 仕上がりの完成 | 数週間 | 3〜6か月程度 |
| 傷跡 | 挿入部のみ | 耳の前後。多くは半年〜1年程度で馴染む |
| 費用(税込) | 1本 27,500円 | 1,100,000円 |
| メンテナンス | 継続する場合はおおよそ半年に1回程度 | 頻繁なメンテナンスは不要。術後も糸で維持する方法があります |
この表は「どちらが優れているか」を示すものではありません。 たるみの原因が皮膚の余りなのか、脂肪の量なのか、支持組織の緩みなのかによって、適する術式が変わります。診察ではまずそこを切り分けます。
1. なぜ顔はたるむのか|4つの要素が同時に進む
顔のたるみは、1つの原因では起こりません。加齢とともに、次の4つが同時に進みます。
① 皮膚そのものの弾力が落ちる
皮膚のハリが失われ、伸びた分がフェイスラインで余ります。皮膚が余っている状態では、下から引き上げても余りがしわとして寄ってしまうことがあります。 ここは糸リフトでは対応しきれない部分です。
② 皮下脂肪が下がる/量が変わる
頬の脂肪が下方へ移動すると、口横のもたつきやマリオネットラインとして現れます。
一方で、「たるんで見える」原因が下垂ではなく脂肪の量そのものである場合もあります。 このときは引き上げるより減らすほうが合っていて、顔の脂肪吸引(頬・顎下 各220,000円)やジョールファット除去(165,000円)が選択肢になります。
③ SMAS(表在性筋膜群)が下がる
皮膚の下にある筋膜の層です。ここが重力に従って下がることが、フェイスラインのもたつきの土台になっています。
④ リガメント(支持靭帯)が緩む|ここが糸と切開の分かれ目です
顔には、皮膚や軟部組織を骨に向かって支えている「リガメント(支持靭帯)」という組織があります。
加齢によってこのリガメントが緩むと、それを支えにしていた皮膚や軟部組織が一緒にゆるみ、たるみとなって現れます。 つまり、たるみの一部は「支えている側が緩んだ結果」として起きています。
ここが、糸リフトと切開リフトのいちばん本質的な違いです。
- 糸リフトは、緩んだ皮膚や軟部組織そのものを引き上げます。 支えているリガメントには手を加えません。
- フェイスリフト(切開リフト)は、そのリガメントを切離(切り)したうえで、緩んだ組織を全部まとめて持ち上げ、余った皮膚を切除します。
フェイスリフトの効果が長期間持続するのは、この違いによるものです。 緩みの原因になっている支えを一度解放してから組織全体を引き上げ直し、余った皮膚を取り除くため、引き上げた状態が保たれやすくなります。
逆に言えば、リガメントの緩みが強く出ている方に糸だけで対応しようとすると、届きにくい部分が残ります。 「糸を入れたのに物足りなかった」というご相談の多くは、ここが理由です。
2. 糸リフトとは|切らずに引き上げる
当院の糸リフトは、PDO(ポリジオキサノン)という体内で吸収される医療用の糸を皮下に挿入します。糸にはコグと呼ばれるトゲが付いていて、これが組織に引っかかることでたるみを引き上げます。糸を入れることでコラーゲン生成の促進も期待できるため、引き上げだけでなく肌のハリ感の変化も期待できます。
糸リフトのダウンタイム
術後は腫れやむくみ、痛みが生じることがあります。腫れのピークは術後2〜3日程度で、多くの場合1週間程度で落ち着いていきます。 また、口を大きく開けたときの違和感や引きつれ感が数週間続くことがありますが、時間とともに改善していきます。マスクで隠せる範囲に収まる方が多く、仕事や学校への影響を抑えやすいのが特徴です。
糸リフトの費用(税込)
- 糸リフト 1本 27,500円
本数はたるみの状態とご希望によって変わります。「何本必要か」はお顔を診察しないと決められません。 当院では糸の本数・方向・挿入位置を一人ひとりに合わせてデザインします。
糸リフトが向いている方
- たるみが軽度〜中等度の方
- まとまった休みが取りにくく、ダウンタイムを短くしたい方
- 定期的なメンテナンスに抵抗がない方
- まずは負担の少ない方法から試したい方
糸リフトの限界
糸は体内に吸収されていくため、引き上げの効果も徐々に弱まります。半年ほどで物足りなくなってくる方が多いというのが実際のところです。
また、皮膚そのものが余っている方に糸で強く引き上げると、余った皮膚がヨレとして出ることがあります。 前の章で書いたとおり、リガメントの緩みが主因になっている場合も、糸では届きにくい部分が残ります。ここが切開を検討し始める分かれ目です。
3. 切開リフト(フェイスリフト)とは|支えごと引き上げ直す
切開リフトは、耳の前後を切開し、皮膚だけでなくSMASまで引き上げて固定し、余った皮膚を切除する手術です。前述のとおり、緩んだリガメントを切離したうえで組織全体を持ち上げるため、糸リフトに比べて効果が長く保てます。
骨切り手術のあとに生じたたるみや、下垂したバッカルファットが原因で頬のコケが目立つ場合には、バッカルファットを上方へ引き上げて固定する「バッカル吊り上げ」を併用する方法もあります。
切開リフトのダウンタイム
- 腫れのピーク=術後2〜3日程度
- 大きな腫れが落ち着くまで=1〜2週間程度
- 抜糸=通常は術後5〜7日ごろ
- 大きな腫れが引いたあともむくみや硬さが残ることがあり、自然な仕上がりになるまで3〜6か月程度
傷跡について
耳の前後に傷ができます。多くの場合は時間の経過とともに目立ちにくくなり、半年〜1年程度で馴染んでいきます。 ただし傷跡の残り方には個人差があります。髪が長い方は比較的隠れやすく、短髪の方は目立ちやすい傾向があります。当院では耳の周囲の溝や髪の生え際に沿って切開・縫合を行います。
切開リフトが向いている方
- たるみが中等度〜重度の方
- 糸リフトを受けたが物足りなさを感じた方
- 繰り返しのメンテナンスより、一度でしっかりした変化を求める方
- 皮膚そのものが余っている方
- 首のたるみも一緒に気になっている方(フルフェイスリフト)
4. 「切開リフト」は1種類ではありません|引き上げられる範囲が違う
ここを知らずに比較すると選び方を間違えます。当院では引き上げたい場所に応じて3つの術式を使い分けています。
こめかみリフト|外側の皮膚を上げる
こめかみリフトは、こめかみや、眉下切開では届きにくい外側の皮膚までリフトアップできます。 目尻からこめかみにかけての外側が下がってきた方に向いています。
ミッドチークリフト|中顔面の「垂直方向」を上げる
ミッドチークリフトは、フェイスリフトでは届きにくい中顔面のたるみ(頬の垂直成分)を上げることができます。 目の下から頬にかけて、下に落ちてきた部分を縦方向に引き上げる術式です。ほうれい線や頬のもたつきが主なお悩みの方に向いています。
フェイスリフト|頬の外側を広く上げる
フェイスリフトでよく言われるのが、机などに頬を手でついたような範囲(頬の外側部分)をより引き上げられる、という説明です。 鏡の前で手のひらを頬に当てて斜め上へ持ち上げてみたとき、変化する範囲がおおよそフェイスリフトの守備範囲だとお考えください。
3つの引き上げ範囲と費用(税込)
| 術式 | 主に引き上げる場所 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| こめかみリフト | こめかみ・眉下切開では届きにくい外側の皮膚 | 660,000円 |
| ミッドチークリフト | 中顔面(頬の垂直成分)=フェイスリフトでは届きにくい部分 | 660,000円 |
| フェイスリフト(切開リフト) | 頬の外側=机に頬を手でついたような範囲 | 1,100,000円 |
| ネックリフト | 首のたるみ | 1,100,000円 |
| フルフェイスリフト(フェイスリフト+ネックリフト) | 顔と首をまとめて | 1,980,000円 |
各術式の正規料金の一覧は料金表をご覧ください。
フェイスリフトとミッドチークリフトは、対立する選択肢ではありません。 引き上げられる方向と場所が違うため、気になっているのが「頬の外側」なのか「中顔面が縦に落ちたこと」なのかで、選ぶものが変わります。 診察ではここを確認します。
施術料金のほかに、麻酔代や術後のお薬などの費用がかかる場合があります。必要な麻酔や処置は術式の組み合わせによって変わるため、診察で内容が決まった時点で総額をお伝えします。
5. 年齢では決まりません|見るのは実際の皮膚のたるみです
「何歳になったらフェイスリフト」という基準を、当院ではお伝えしていません。年齢だけでは語れないからです。
- 30代前半の方でもたるみが始まる方がいらっしゃいます。
- 50代になってもたるみが少ない方もいらっしゃいます。
- 骨切り手術のあとは、お若い方でも骨の切除量が大きければ、その分たるみも増えます。
骨切り後のたるみは特に誤解されやすい部分です。輪郭を小さくした分だけ、覆っている皮膚は相対的に余ります。 年齢に関係なく起こりうるため、「まだ若いから関係ない」とは考えません。
当院の判断基準は、年齢ではなく実際の皮膚のたるみです。 診察でお顔を見て、皮膚がどれだけ余っているか、支持組織がどの程度緩んでいるかを確認してご提案します。
6. 費用の考え方|1回の金額ではなく「続けたときの合計」で比べる
糸リフトは1本27,500円です。1回の負担は小さいのですが、継続する施術です。
- 糸リフトを継続する場合、当院ではおおよそ半年に1回程度の間隔をご提案することが多いです(本数・部位により異なります)。
- 切開の適応がはっきりしている方が糸を重ね続けると、費用の合計が切開1回を上回ることがあります。
判断の目安=「回数を重ねても持ちが短くなってきた」「引き上げても口横のもたつきが戻る」と感じ始めたら、合計額で比べ直すタイミングです。
逆に、たるみがまだ軽度な方が最初から切開を選ぶと、必要以上のダウンタイムと傷跡のリスクを負うことになります。手軽さだけで選ぶのも、金額の大きさだけで選ぶのも、どちらも後悔につながります。
糸リフトを続けるか切開へ切り替えるかの「順番と切り替えどき」は、糸リフトと切開リフト、受ける順番と切り替えどきの目安で別途まとめています。
7. 診察で確認する4つのこと
当院では、次の4点を確認したうえで、糸を続けるか切開へ切り替えるかをご提案します。
- たるみが皮膚の余りによるものか、脂肪の量によるものか(引き上げるべきか、減らすべきか)
- これまでに入れた糸の本数・時期と、持ちがどう変わってきたか
- 取れるダウンタイムの日数
- 首やあご下まで気になっているか
適応がない場合は、その旨をお伝えします。 糸で足りる方に切開をおすすめすることはありませんし、その逆もありません。
8. 福岡・天神で受けるとき、当院で確認できること
執刀医
執刀は院長・宮本東和(日本形成外科学会認定 形成外科専門医)が担当します。前職の福岡TAクリニック院長時代を含む累計で、小顔・輪郭の手術を5,000例以上担当してきました。 カウンセラーを介さず、カウンセリング・手術・術後の経過診察まで同じ医師が対応します。
カウンセリング
お一人あたり1時間のカウンセリング枠を設けています。たるみの程度、これまでのお悩み、ダウンタイムにかけられる時間を伺ったうえで、どちらが向いているかを一緒に考えます。
麻酔
手術中の意識があることに不安がある方には、快眠麻酔(静脈麻酔)を併用できます。糸リフトのように短時間で終わる施術にも対応しています。術式によっては全身麻酔でのご案内になることもあり、その場合はカウンセリングでご説明します。
アクセス
福岡市中央区大名。天神駅・赤坂駅から徒歩約7分です。
よくある質問
Q. 糸リフトと切開リフト、迷ったらどちらを選べばいいですか?
たるみが軽度〜中等度で、負担の少ない方法から試したい方には糸リフトが向いています。たるみが強く出ている方、繰り返しのメンテナンスより一度でしっかりした変化を求める方には切開リフトが向いている傾向があります。まずは診察でたるみの状態を確認させてください。
Q. リガメント(支持靭帯)とは何ですか?糸リフトでは扱えないのですか?
皮膚や軟部組織を支えている組織です。加齢で緩むと、支えられていた皮膚や軟部組織が一緒にゆるみ、たるみとなります。糸リフトは緩んだ皮膚と軟部組織を引き上げる施術で、リガメントそのものには手を加えません。 フェイスリフトはリガメントを切離してから組織全体を持ち上げ、余った皮膚を切除するため、引き上げた状態が長く保たれます。
Q. ミッドチークリフトとフェイスリフトはどちらがいいですか?
引き上げられる場所が違うため、どちらが上位ということはありません。中顔面が縦に落ちてきた場合はミッドチークリフト、頬の外側(机に頬を手でついたような範囲)が気になる場合はフェイスリフトが対象になります。診察でどちらが主因かを確認します。
Q. 何歳から検討するものですか?
年齢では決まりません。30代前半でたるみが始まる方も、50代でたるみが少ない方もいらっしゃいます。 また、骨切り手術のあとは切除量が大きいほどたるみも増えるため、お若い方でも対象になることがあります。判断するのは年齢ではなく実際の皮膚のたるみです。
Q. 糸リフトの効果はどれくらい持続しますか?
個人差はありますが、半年ほどで効果が徐々に弱まってくる方が多いです。糸が体内に吸収されていくため、引き上げ効果を保ちたい場合は定期的に受けていただく形になります。
Q. 切開リフトのダウンタイムはどれくらいですか?
腫れのピークは術後2〜3日程度、大きな腫れは1〜2週間程度で落ち着きます。抜糸は通常術後5〜7日ごろです。 その後もむくみや硬さが残ることがあり、自然な仕上がりになるまで3〜6か月程度かかります。
Q. 傷跡はどのくらいで目立たなくなりますか?
耳の前後の傷は、多くの場合半年〜1年程度で馴染んでいきます。 ただし残り方には個人差があります。
Q. 費用はどちらが結果的に安くなりますか?
糸リフトは1本27,500円、フェイスリフトは1,100,000円(いずれも税込)です。糸リフトは本数と回数によって合計が変わるため、切開の適応がある方は総額で比較してご相談されることをおすすめします。
Q. 切開リフトの後に糸リフトはできますか?
可能な場合があります。当院では切開リフト後も、メンテナンスとして定期的に糸リフトを入れることをご提案しています。 前回の術式と経過を確認したうえで判断します。
Q. 骨切り手術を受けたあとにたるみが出ることはありますか?
あります。骨の切除量が大きければ、その分だけ覆っている皮膚が相対的に余るため、お若い方でもたるみが増えることがあります。 診察で皮膚の余り方を確認してご提案します。
Q. たるみではなく脂肪が原因のこともありますか?
あります。その場合は顔の脂肪吸引(頬・顎下 各220,000円)やジョールファット除去(165,000円)のほうが適していることがあります。診察ではまず、引き上げるべきか減らすべきかを切り分けます。
Q. どのくらい休みが必要ですか?
術式によって大きく異なります。取れる休みの日数をお伝えいただければ、その範囲で可能な選択肢をご提案します。
費用とリスク・副作用について
本記事で紹介した施術はすべて自由診療であり、公的医療保険の適用対象外です。 費用は税込表示です。
糸リフトのリスク・副作用
腫れ、むくみ、内出血、痛み、赤み、つっぱり感、圧痛、左右差、皮膚の凹凸、ひきつれ、くぼみ、傷跡、色素沈着、感覚の鈍さ、しびれ、拘縮、糸の触知・露出、感染、血腫、漿液腫などが生じる可能性があります。まれに神経損傷、顔面神経麻痺、血管損傷、皮膚障害、糸の抜去が必要となる感染や異物反応、麻酔によるアレルギー反応などが起こる場合があります。
切開リフト(フェイスリフト・ミッドチークリフト・こめかみリフト・ネックリフト)のリスク・副作用
痛み、内出血、感染、左右差、腫れ、むくみ、違和感、血腫、赤み、傷跡が残る可能性、仕上がりに対するイメージの差が生じる可能性があります。
仕上がりや効果には個人差があり、左右差や皮膚のたるみが残る可能性があります。
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この記事を書いた人

アルテラクリニック
院長 宮本東和
昭和大学医学部卒業後、昭和大学附属病院形成外科をはじめ、関連病院などで形成外科医として研鑽を積む。外傷や皮膚腫瘍、再建外科など幅広い診療に携わり、その後美容外科へ。元福岡TAクリニック院長4年を経て、現在は美容外科クリニック院長として患者様一人ひとりの悩みに寄り添った丁寧な診療を行っている。日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAS・JSAPS)所属。形成外科専門医。